自社栽培の「青わら」と
しめ飾りができるまで
しめ飾りができるまで
稲作から自社で一貫して手掛けています。
「青刈り」の稲わらとしめ縄が仕上がるまでをご紹介します。
5月 田植え
約400年前から用水がまちなかを流れる全国屈指の「用水のまち」、金沢。
市内を縦横に流れている美しい水路は農業用水として田植えにも重要な役割を果たしています。
田植え後は毎日欠かさず、水や稲の状態の観察・管理を行います。
7月 青刈り(青田刈り)
青刈りとは稲穂が実る前の青々とした状態でわらを刈り取ることをいいます。
品種は、しなやかで丈の長い「実とらず」や「伊勢錦」という青刈りに適したもので、しめ縄専用の「青わら」として使用します。
真夏の暑さが厳しい過酷な時期に作業は行われます。
7月 乾燥
刈り取った青わらを乾燥機に運び入れ、長時間かけて乾燥させます。
水分がたっぷり含まれているため、熱風を長時間あててしっかりと乾燥させることで、虫やカビ、変色を防ぎます。
10月 藁選り(わらすぐり)
乾燥が終わると、変色などの不良のわらと青わらを選別する「藁選り(わらすぐり)」を行います。
しっかりと乾燥させ適切に保管を行うことで、お正月になってもしめ縄のわらにこの青みと香りが残り、新年にふさわしい清々しさを持ったお飾りとなります。
11月 稲穂付きの秋藁の収穫
お正月飾りに使用するため稲穂付きのわらを収穫していきます。
11月 ウラジロの採取
お正月飾りにかかせない、ウラジロ。
葉の裏が白いことから「心に裏表がない(清廉潔白)」や「白髪になるまでの長寿」を意味する縁起物です。
地元の能登地方の山に入り、約4万枚と大量に採取します。
その他:時期をみて行う作業
ゆずりはの採取
工房 越野の裏庭に育つ「ゆずりは」も、金沢のしめ縄にはかかせない縁起の良い植物です。
春に新芽が出た後に古い葉がそれに譲るように落葉する様子から、親が子に代を譲り、家が代々続く「子孫繁栄」を意味します。
海藻「ホンダワラ」の仕入れ
能登や他の地域の漁師さんにご協力いただき、日本海の秋から冬に出てくる藻(ホンダワラ)を採取します。
ホンダワラの葉先に、実(気泡)がたくさんついている様子が稲穂に似ているため、豊作を願う意味があります。
藁の加工・飾り付け
神社用の大きなしめ縄は、雪吊り用の縄束の周りにわらを巻きつけて、その上を天蚕糸で固定したものをさらに綯っていきます。
力強く大きな縄を綯いつつ、全体のバランスも美しく仕上げるには高度な熟練の技術を要します。
石川県でこの技術をもつ職人は、現在「〆飾り工房 越野」のみしか残っておりません。
同時に家庭用のしめ縄も作業を進めていきます。
一つ一つ丁寧に加工や飾り付けを行い、お客さまの元へと出荷します。
しめ縄業は通年の作業です。
稲でわらが取れた後からでは製造が間に合わず、1 月より縄を丁寧に 1 本 1 本綯い続けています。
今日もまた心を込めて、加賀百万石伝統わら工芸であるしめ飾りを作り続けます。
しめ縄の完成例はこちら